【これであなたもガラス博士 第9回】

【これであなたもガラス博士 第9回】

茶色の硝子について【2】

こんにちは。ガラス博士です。
前回に引き続き、茶色のガラスについてのお話じゃ。

まずは、ガラスを茶色にする仕組み、ステイン法について説明するぞい。

ステイン法は伝統的なガラス加工法なのじゃが、イオン交換法のひとつと言われておる。
ガラスにステインと呼ばれるペーストを塗布し、熱処理することによって、ステイン中に含まれる
金属イオンをガラス中に導入しガラスを着色する技術なのじゃ。
ステンドグラスなどの着色にも用いられているの~~。

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そのステイン法じゃが、
当社の加工は、銀や銅のイオンと、ガラスの中に含まれる アルカリイオン(ナトリウム、カリウム)が交換し、
銀や銅イオンがガラス中に導入されるのじゃ。
その銀や銅のイオンの色が茶色になっておる。

当社で使用しているペーストの名称は、シルバーステインと呼ばれるものを使っておるのじゃ。
銀だけに、シルバーじゃな。

また、イオン交換する熱処理の温度は、約580℃という高温でイオン交換を行うぞ。
ガラス高温に熱する電気炉の中にいれるのじゃ。
その後、ペーストを洗浄して剥がせば、ガラスは茶色になっておる。


ちょいと、画像を入れて説明してみるぞ。


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① これは、素ガラスの状態じゃ。(ガラスの中に Na 分が含まれておる)


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② ステイン(ペースト)をガラスの表面に塗布する。 銀(Ag)じゃ。


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③ 580℃で加熱することで、ペーストに含まれる、銀(Ag)イオンが、ガラスに含まれるアルカリ(Na)イオンと、入れ替わる。


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④ ペーストを取り除けば、ガラスの表面だけが、銀(Ag)イオンの色で茶色に発色するということじゃ。



【本日のまとめ】
  • ステイン法はイオン交換法の一種です。
  • 銀・胴イオンの色が茶色になります。

【目筋郎のひとこと】
  • ちなみに、メスシリンダーなどの目盛線の部分も、この方法で目盛をつけておるのじゃ。
    目盛は洗っても剥がれることはないから、安心してつかってほしいの~~。

 
理化学分析用硝子器具 【更新日:2022/10/12】
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