【これであなたもガラス博士 第8回】

【これであなたもガラス博士 第8回】

茶色の硝子について【1】

こんにちは。ガラス博士 目筋郎 です。
博士もいろんな仕事を持っておって、なかなか更新ができんのじゃ。
だからこそ、とっておきの情報を今日は紹介するぞい。

ガラスの瓶(【リポ○〇○D】とか、【オロ○〇○C】の瓶)で茶色のものを見るじゃろ?。

DSC_0018.JPG

この瓶は、なぜ茶色なんだろうなぁ。
茶色の瓶の特徴は、遮光性があることだ。(光を遮る効果もあるな。。。)
特にビタミン類は光に弱いという事は知っているだろ?

当然、研究者たちも光に弱いサンプルを使用して実験をすることがある。
そこでクライミングでも茶色のメスフラスコを販売しているぞ。

★メスフラスコカタログ
https://www.climbing-web.com/bookdata/HTML5/pc.html#/page/38
https://www.climbing-web.com/bookdata/HTML5/pc.html#/page/40




実は、この茶色の瓶には2種類のタイプがあることを御存知かな?


一つはガラス自体が茶色のもの
もう一つは、ガラスの表面だけが茶色のもの。

一般的にガラス自体を茶色くする場合には、ガラスの主成分である珪素に加え、
鉄などを入れることで茶色の硝子が出来上がるんじゃ。
(飲料用の瓶などは、この製法で作っておる)


精度の高い研究を行っている場合、通常の茶色瓶では問題が生じることがある。
溶液内に茶色の硝子の成分である鉄分が混じり、コンタミネーションが発生する可能性だ。
それを避けるために、ガラスの表面だけを茶色に着色し遮光性を持たせるのだ。
となると、溶液に触れる部分は透明のガラスのままであるからして、溶液中への不純物の混入を防げるのじゃ。


この方法を『ステイン法』と呼ぶ。クライミングの茶色のメスフラスコは、この製法で作っておるのじゃ。
研究者の仲間も、安心して使用しておるぞ。
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『ステイン法』については、次の回で詳しく説明するつもりだから
もうしばらく待っとって欲しい。

では、又。



【本日のまとめ】
  • 茶色の瓶には遮光性がある。
  • ガラスを茶色にする方法は、2パターン
    ガラス自体が茶色・ガラスの表面だけが茶色。


【目筋郎のひとこと】
最近の『デカ○○C』は、ペットボトルで透明なものもあるみたいじゃな~。
時代の流れなのかな~?

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理化学分析用硝子器具 【更新日:2022/09/27】
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