★☆★JNSAメールマガジン 第279号 2024.1.12☆★☆
2024/01/12 (Fri) 15:30
★☆★JNSAメールマガジン 第279号 2024.1.12☆★☆
こんにちは
JNSAメールマガジン 第279号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンは
JPCERT/CC 国際部 登山 昌恵様にご寄稿いただきました。
【連載リレーコラム】
IGF（インターネット・ガバナンス・フォーラム）へのお誘い
JPCERT/CC 国際部 登山 昌恵
はじめまして。JPCERT/CCでCSIRT・CERT間の国際連携に携わる登山と申します。
今回は国内セキュリティ業界の方にとって、もしかするとあまり聞き慣れない
かもしれない（けれど大事な）インターネットガバナンスという言葉と、それ
を幅広く議論する国際会議についてご紹介いたします。
JPCERT/CCは、2023年10月8日から12日まで、京都で開催された第18回 Internet
Governance Forum（本コラムでは「IGF」という。また、第18回IGFを「IGF2023」
という。 ）という会議に参加し、2つのセッションの運営と進行を務めました。
IGFは、国連加盟国をはじめとする政府や政府系組織だけでなく、民間セクター、
技術コミュニティー、市民社会など、あらゆる立場の関係者（ステークホルダー）
が一堂に会してインターネットガバナンスに関する対話をするために設けられた、
国連が主催する国際会議です。IGF2023は5日間に355のセッションが行われ、
世界中から9千人以上が参加しました。
JPCERT/CCはサイバーセキュリティを推進する立場の意見を発信するために、
またコーディネーションセンターとして適切な情報を必要な人々に届けるために、
過去にもIGFに参加してきました。IGFは国連加盟国の出身なら誰でも参加でき、
セッションを提案することができます。今回はJPCERT/CCから初めてセッション
を２つ提案し、幸運なことにどちらも採択され、運営と進行までを行いました。
この詳細については、弊センター公式ブログJPCERT/CC Eyesの記事
（https://blogs.jpcert.or.jp/ja/2023/12/igf2023.html）をご覧ください。
IGFではさまざまな問題が取り上げられるため、セッションタイトルを眺める
だけでもグローバルな議論の動向をうかがい知ることができます。
IGF2023はとりわけAIについての議論が目立っていましたが、データ保護、
インターネットの分断、インターネット上のマイノリティの人権保護、能力
開発などは毎回議題に上ります。
私はこれまで3回のIGF参加を通じて、サイバーセキュリティ分野のIGF参加者が
少ない印象を持っています。その原因としては、まずIGFではサイバーセキュ
リティも主要なテーマとはなっているものの、多くの問題のなかの一つにすぎ
ないため、業界からの注目度や優先度が低いことが考えられます。国連では
IGF以外の場所（GGE、OEWGなど）でもサイバーセキュリティの議論が行われて
います。そして、サイバーセキュリティの政策面についての議論は、セキュリ
ティインシデントに日々対応するような、いわゆる「現場の人」には敷居が
高いというイメージが根強いかもしれません。さらに、IGFは対話のための
会議であり、拘束力のある決定を生む場ではないことから、聴講のみでは参加
する意義が十分に見いだせない可能性があります。
一方、IGFに集う多種多様なステークホルダーからすれば、サイバーセキュリ
ティは「自分のフィールドとは交わらない、なんだか難しそうでとっつきにく
い」分野なのではないかと思います。残念ながら、異なるステークホルダー
から関心を持ってもらえないことで、サイバーセキュリティの視点が欠けた
まま展開してしまうセッションがたまにあります。過去には、プラットフォー
ム企業がサイバーセキュリティを確立するために不可欠なポリシーを策定して
いることに対し、ジャーナリストがその成果を重要視せずに単に問題を追及し、
現状を否定または批判をして、ユーザーの権利保護に終始したセッションが
ありました。「セキュリティの現場の人がもっとたくさんこの場にいたなら、
重要な視点を提供できて議論が前進するかもしれないのに…！」と歯がゆい
思いをしました。ですから、サイバーセキュリティに携わる人々が発言して、
他のステークホルダーにサイバーセキュリティ推進の観点を思い起こしてもら
うことが必要です。
IGFは、特設ブース以外での商品プロモーションこそ禁じられているものの、
企業が大事にしているセキュリティ推進の理念や仕組みをあらゆるステーク
ホルダーに紹介し、議論を通じて賛同を呼びかける、あるいは同じような
取り組みをしている仲間を探すことができる場になりえます。
来年のIGFはサウジアラビアで開催されることが発表されています。
オンラインでも参加できますので、興味を持った方はぜひ公式Webサイト
（https://www.intgovforum.org/en）を覗いてみてください。
JPCERT/CCはインターネットの健全な運営を担う一組織として、セキュリティ
インシデントに日々対応するCSIRT実務者の声を絶やさないよう、国内企業の
皆さまとも協力していきたいと考えています。
以上
＃連載リレーコラム、ここまで
＜お断り＞本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
関係するものではありません。
＜ワンクリックアンケートお願い＞
今回のメールマガジンの感想をお寄せください。
http://tinyurl.com/4m572xy2
※googleアンケートフォームを利用しています。
【部会・WGからのお知らせ】
★4年ぶりの会場開催「Network Security Forum 2024（NSF2024）」
参加登録受付中
https://www.jnsa.org/seminar/nsf/2024/index.html
★12月18日開催「情報セキュリティマネジメント・セミナー2023」
講演映像をYouTube JNSAChannelへ公開しました。
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/2023/index.html
★11月15日開催セミナー「欧州と日本のトラストサービスの動向
～eIDAS規則とEUDIW(欧州IDウォレット)の現状～」講演映像を
JNSAYouTube JNSAChannelで公開しました。講演資料と併せてご覧ください！
https://www.jnsa.org/result/e-signature/index.html
【事務局からのお知らせ】
★2023年度 JNSA表彰 受賞者決定しました。
発表はこちら＞＞https://www.jnsa.org/jnsaaward/2023/winner.html
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に御相談下さい！！
★リモートワークに活用ください！
「緊急事態宣言解除後のセキュリティ・チェックリスト」
https://www.jnsa.org/telework_support/telework_security/index.html
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
☆メールマガジンの配信停止は以下URLの「解除」よりお手続き下さい。
配信停止連絡 <https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html>
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JNSAメールマガジン 第279号
発信日：2024年1月12日
発 行：JNSA事務局 sec@jnsa.org
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を幅広く議論する国際会議についてご紹介いたします。
JPCERT/CCは、2023年10月8日から12日まで、京都で開催された第18回 Internet
Governance Forum（本コラムでは「IGF」という。また、第18回IGFを「IGF2023」
という。 ）という会議に参加し、2つのセッションの運営と進行を務めました。
IGFは、国連加盟国をはじめとする政府や政府系組織だけでなく、民間セクター、
技術コミュニティー、市民社会など、あらゆる立場の関係者（ステークホルダー）
が一堂に会してインターネットガバナンスに関する対話をするために設けられた、
国連が主催する国際会議です。IGF2023は5日間に355のセッションが行われ、
世界中から9千人以上が参加しました。
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またコーディネーションセンターとして適切な情報を必要な人々に届けるために、
過去にもIGFに参加してきました。IGFは国連加盟国の出身なら誰でも参加でき、
セッションを提案することができます。今回はJPCERT/CCから初めてセッション
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この詳細については、弊センター公式ブログJPCERT/CC Eyesの記事
（https://blogs.jpcert.or.jp/ja/2023/12/igf2023.html）をご覧ください。
IGFではさまざまな問題が取り上げられるため、セッションタイトルを眺める
だけでもグローバルな議論の動向をうかがい知ることができます。
IGF2023はとりわけAIについての議論が目立っていましたが、データ保護、
インターネットの分断、インターネット上のマイノリティの人権保護、能力
開発などは毎回議題に上ります。
私はこれまで3回のIGF参加を通じて、サイバーセキュリティ分野のIGF参加者が
少ない印象を持っています。その原因としては、まずIGFではサイバーセキュ
リティも主要なテーマとはなっているものの、多くの問題のなかの一つにすぎ
ないため、業界からの注目度や優先度が低いことが考えられます。国連では
IGF以外の場所（GGE、OEWGなど）でもサイバーセキュリティの議論が行われて
います。そして、サイバーセキュリティの政策面についての議論は、セキュリ
ティインシデントに日々対応するような、いわゆる「現場の人」には敷居が
高いというイメージが根強いかもしれません。さらに、IGFは対話のための
会議であり、拘束力のある決定を生む場ではないことから、聴講のみでは参加
する意義が十分に見いだせない可能性があります。
一方、IGFに集う多種多様なステークホルダーからすれば、サイバーセキュリ
ティは「自分のフィールドとは交わらない、なんだか難しそうでとっつきにく
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まま展開してしまうセッションがたまにあります。過去には、プラットフォー
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いることに対し、ジャーナリストがその成果を重要視せずに単に問題を追及し、
現状を否定または批判をして、ユーザーの権利保護に終始したセッションが
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講演映像をYouTube JNSAChannelへ公開しました。
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～eIDAS規則とEUDIW(欧州IDウォレット)の現状～」講演映像を
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発 行：JNSA事務局 sec@jnsa.org
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