★☆★JNSAメールマガジン 第299号 2024.11.1☆★☆
2024/11/01 (Fri) 15:30
★☆★JNSAメールマガジン 第299号 2024.11.1☆★☆
こんにちは
JNSAメールマガジン 第299号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンは
株式会社マキナレコード 代表取締役 軍司 祐介様にご執筆いただきました。
【連載リレーコラム】
サイバーインテリジェンスとセキュリティ
株式会社マキナレコード 代表取締役 軍司 祐介
サイバーインテリジェンスという単語が世に出て久しいが、「インテリジェン
ス」という言葉には日本語で直訳が存在しない。多くの人と話していても、イン
テリジェンスの定義に相違があると感じることが多い。
インテリジェンスの訳としては「情報」が近しいが、正確には異なる。では一体
情報をさすインフォメーションと何が異なるのか。私自身、インテリジェンスが
そもそもどういうことをさすのかを理解するまで一定の時間を要したのだが、
情報とインテリジェンスの定義の違いをまず把握することからはじめ、インテリ
ジェンスを作成するプロセスを正確に理解すると、「情報」そのものの扱い方や
効能が大きく変わってくる。
限られた文字数の中では全てをお伝えすることはできないが、今回この寄稿を通
し、「インテリジェンスの意味と定義」をお伝えできる機会をいただいたことに
謝辞を申し上げる。なお、本寄稿文では、サイバーに限らず、全般的なインテリ
ジェンスについて解説している。
インテリジェンスと情報の違いとその定義を述べるためには、天気予報がわかり
やすい。
毎日、皆さんも天気予報を見ていると思う。今日着ていく服を決めたり、週末の
予定を立てるなどといった目的のために天気予報を活用しているはずだ。
さて、天気予報では、天気図や衛星からの雲や大気の様子、温度や湿度、風速や
方向といった情報をもとに、気象予報士という専門家が今日の天気の移ろいに
ついて分析を行う。その分析結果を朝のニュースや新聞で、天気予報として公表
する。そして私たちはその天気予報を見て、今日着ていく服を決める。つまり
「今日着ていく服装はどうするべきか」という決断事項に対して、天気予報と
いうインテリジェンスが意思決定の支援を行うということになる。この「複数の
情報を分析し、意思決定の支援のために作成されたアウトプット」がインテリジ
ェンスの定義である。
あまたに存在する情報を、その背景やいままでの経験、統計的思考などから分析
を行い、立体的に加工しアウトプットにすることで、インテリジェンスとして
活用できるようになる。
ひとつひとつの情報は、いわば「点」である。点同士は信憑性や共通点、情報の
差異など客観的な評価で結ばれて「線」となり、さらに発信されたその背景を
加えて分析することで、「立体」的なアウトプットを作成する。すなわち、情報
を素材として扱い、評価や背景などのコンテキストが加えられ分析・加工された
ものがインテリジェンスなのである。
インテリジェンスは意思決定を支援するものと考えると、普段何気なくやって
いる情報収集や意思決定プロセスに専門性をもち、効率や効果を真剣に考える
必要が出てくる。どれだけ迅速に、より正解に近い形で意思決定が行えるのか、
海外でインテリジェンスが取り沙汰され、大きく注目を浴びるようになった背景
が、この課題の解決にインテリジェンスの概念が大きな効果を示したことにある。
またインターネットが隆盛していくにつれ、サイバー攻撃が金銭的目的だけで
なく人命にまで影響を及ぼすようになった昨今、セキュリティ対策は水際のもの
だけでは不十分になってしまった。予算は膨大になり、専門家不足のため対策は
常に後手に回ってしまう。攻め手有利のこの状況を打破するため、今まで軍事的
な活動で扱われていたインテリジェンスの概念を一般企業も取り入れるように
なった。経営施策やセキュリティ関係についての意思決定を迅速かつ正確に行う
ことで、予算・人員のリソース不足を補えるからだ。
孫氏の兵法に、「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉が残さ
れている。無限に点在している情報からインテリジェンスを作成し、自分たちの
意思決定のために最大限に活用することができるようになれば、皆さんの業務は
もう少し楽になり、社会ももう少し安全になるだろう。
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
関係するものではありません。
<ワンクリックアンケートお願い>
今回のメールマガジンの感想をお寄せください。
https://tinyurl.com/ytjnwa86
※googleアンケートフォームを利用しています。
【JNSAイベントのお知らせ】
★12月6日開催 標準化部会日本ISMSユーザグループ主催セミナー
「情報セキュリティマネジメント・セミナー2024」参加登録を開始しました。
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/2024/index.html
★11月15日開催 標準化部会主催セミナー「IoTセキュリティ標準化の動向を知る」
参加登録受付中です。
https://www.jnsa.org/seminar/std/2024/index.html
【部会・WGからのお知らせ】
★会員交流部会の紹介動画をYoutube JNSAChannelで公開しました。
https://www.youtube.com/@JNSAseminar
【事務局からのお知らせ】
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に御相談下さい!!
★リモートワークに活用ください!
「緊急事態宣言解除後のセキュリティ・チェックリスト」
https://www.jnsa.org/telework_support/telework_security/index.html
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
☆メールマガジンの配信停止は以下URLの「解除」よりお手続き下さい。
配信停止連絡 <https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html>
*************************************
JNSAメールマガジン 第299号
発信日:2024年11月1日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
*************************************
こんにちは
JNSAメールマガジン 第299号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンは
株式会社マキナレコード 代表取締役 軍司 祐介様にご執筆いただきました。
【連載リレーコラム】
サイバーインテリジェンスとセキュリティ
株式会社マキナレコード 代表取締役 軍司 祐介
サイバーインテリジェンスという単語が世に出て久しいが、「インテリジェン
ス」という言葉には日本語で直訳が存在しない。多くの人と話していても、イン
テリジェンスの定義に相違があると感じることが多い。
インテリジェンスの訳としては「情報」が近しいが、正確には異なる。では一体
情報をさすインフォメーションと何が異なるのか。私自身、インテリジェンスが
そもそもどういうことをさすのかを理解するまで一定の時間を要したのだが、
情報とインテリジェンスの定義の違いをまず把握することからはじめ、インテリ
ジェンスを作成するプロセスを正確に理解すると、「情報」そのものの扱い方や
効能が大きく変わってくる。
限られた文字数の中では全てをお伝えすることはできないが、今回この寄稿を通
し、「インテリジェンスの意味と定義」をお伝えできる機会をいただいたことに
謝辞を申し上げる。なお、本寄稿文では、サイバーに限らず、全般的なインテリ
ジェンスについて解説している。
インテリジェンスと情報の違いとその定義を述べるためには、天気予報がわかり
やすい。
毎日、皆さんも天気予報を見ていると思う。今日着ていく服を決めたり、週末の
予定を立てるなどといった目的のために天気予報を活用しているはずだ。
さて、天気予報では、天気図や衛星からの雲や大気の様子、温度や湿度、風速や
方向といった情報をもとに、気象予報士という専門家が今日の天気の移ろいに
ついて分析を行う。その分析結果を朝のニュースや新聞で、天気予報として公表
する。そして私たちはその天気予報を見て、今日着ていく服を決める。つまり
「今日着ていく服装はどうするべきか」という決断事項に対して、天気予報と
いうインテリジェンスが意思決定の支援を行うということになる。この「複数の
情報を分析し、意思決定の支援のために作成されたアウトプット」がインテリジ
ェンスの定義である。
あまたに存在する情報を、その背景やいままでの経験、統計的思考などから分析
を行い、立体的に加工しアウトプットにすることで、インテリジェンスとして
活用できるようになる。
ひとつひとつの情報は、いわば「点」である。点同士は信憑性や共通点、情報の
差異など客観的な評価で結ばれて「線」となり、さらに発信されたその背景を
加えて分析することで、「立体」的なアウトプットを作成する。すなわち、情報
を素材として扱い、評価や背景などのコンテキストが加えられ分析・加工された
ものがインテリジェンスなのである。
インテリジェンスは意思決定を支援するものと考えると、普段何気なくやって
いる情報収集や意思決定プロセスに専門性をもち、効率や効果を真剣に考える
必要が出てくる。どれだけ迅速に、より正解に近い形で意思決定が行えるのか、
海外でインテリジェンスが取り沙汰され、大きく注目を浴びるようになった背景
が、この課題の解決にインテリジェンスの概念が大きな効果を示したことにある。
またインターネットが隆盛していくにつれ、サイバー攻撃が金銭的目的だけで
なく人命にまで影響を及ぼすようになった昨今、セキュリティ対策は水際のもの
だけでは不十分になってしまった。予算は膨大になり、専門家不足のため対策は
常に後手に回ってしまう。攻め手有利のこの状況を打破するため、今まで軍事的
な活動で扱われていたインテリジェンスの概念を一般企業も取り入れるように
なった。経営施策やセキュリティ関係についての意思決定を迅速かつ正確に行う
ことで、予算・人員のリソース不足を補えるからだ。
孫氏の兵法に、「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉が残さ
れている。無限に点在している情報からインテリジェンスを作成し、自分たちの
意思決定のために最大限に活用することができるようになれば、皆さんの業務は
もう少し楽になり、社会ももう少し安全になるだろう。
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
関係するものではありません。
<ワンクリックアンケートお願い>
今回のメールマガジンの感想をお寄せください。
https://tinyurl.com/ytjnwa86
※googleアンケートフォームを利用しています。
【JNSAイベントのお知らせ】
★12月6日開催 標準化部会日本ISMSユーザグループ主催セミナー
「情報セキュリティマネジメント・セミナー2024」参加登録を開始しました。
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/2024/index.html
★11月15日開催 標準化部会主催セミナー「IoTセキュリティ標準化の動向を知る」
参加登録受付中です。
https://www.jnsa.org/seminar/std/2024/index.html
【部会・WGからのお知らせ】
★会員交流部会の紹介動画をYoutube JNSAChannelで公開しました。
https://www.youtube.com/@JNSAseminar
【事務局からのお知らせ】
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に御相談下さい!!
★リモートワークに活用ください!
「緊急事態宣言解除後のセキュリティ・チェックリスト」
https://www.jnsa.org/telework_support/telework_security/index.html
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
☆メールマガジンの配信停止は以下URLの「解除」よりお手続き下さい。
配信停止連絡 <https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html>
*************************************
JNSAメールマガジン 第299号
発信日:2024年11月1日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
*************************************