★☆★JNSAメールマガジン 第322号 2025.10.3☆★☆
2025/10/03 (Fri) 15:30
★☆★JNSAメールマガジン 第322号 2025.10.3☆★☆
こんにちは
JNSAメールマガジン 第322号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンはJNSA 調査研究部会 市場調査ワーキンググループリーダー
玉川 博之様にご寄稿いただきました。
【連載リレーコラム】
数字だけじゃない!セキュリティ市場の裏側を考える
JNSA 調査研究部会 市場調査ワーキンググループ 玉川 博之
(AKKODiSコンサルティング株式会社)
○数字の裏を考える!
セキュリティ調査レポートはご覧いただきましたか? WGでは、2025年7月に
レポートを発表しました。1兆6665億円(昨年比13%増)と今年もセキュリティ
市場は堅調な推移をしています。この数字は主にセキュリティベンダー各社が
ツール販売やサービス提供して積み上げたものです。
数字を見ることも良いのですが、算出された数値を紐解き、『なぜ?』と考え、
この数値に至ったストーリーを掘り下げていくこともレポートを読み解く醍醐味です。
○トレンドは市場に反映されるのか?
世の中の事情から市場は影響を受け形成されます。セキュリティ市場の場合には
外資企業も多いため、円安の影響を受けるといったこともあります。円安では
外資企業の売上が上がるという影響もあれば、国内企業が海外製品等の導入時に
割高となる可能性という影響もあります。プラス影響なのかマイナス影響なのか
は視点によって変わりますので言及はしませんが、売り上げが伸びている理由に
は為替の影響もゼロではありません。
では、注目キーワードから市場予想はできるのでしょうか?近年ではツールや
サービスに対して『AI』というキーワードが目立ちます。実際、『予想』や
『検知』などさまざまな活用が進んでいます。例えば既にあるツールやサービス
にAIを搭載して販売することは自然な流れです。このようなAI活用は一つの付加
価値です。付加価値がつくことにより単価向上が期待でき、市場成長すると言う
ストーリーが考えられます。また、AIがセキュリティベンダーで活用されること
で、生産性が向上すると言う可能性も考えられます。マネージドサービスを提供
する会社でAI活用が進み、ログ解析時間が短縮されれば顧客数が増えると言う
ストーリーも考えられます。さらにAIの活用が進むと言うことは、AIに対する
セキュリティ対策が必要です。AIは多くの業界企業で導入が進んでいます。AI
システムの導入に伴うセキュリティリスクの分析やデータ保護など、セキュリ
ティ対策を考える場面が増えると言うことです。このような場合にはコンサル
ティング/診断サービスセグメントが増加するのではないか、といったストー
リーを描くこともできます。『AI』と言うキーワードだけでも、誰が使うのか、
どう使うのかを想像してみてください。登場人物や場面を組み合わせることで、
市場を取り巻くストーリーが想像できるはずです。
○セキュリティ事故が市場に与える影響は?
もう一つ欠かせない話題がセキュリティ事故です。事故対応だけでも費用が
かかります。市場調査ではインシデント対応も一つの市場と捉え調査をしています。
インシデント対応のセグメントが大きくなることはそれだけセキュリティ事故
(未遂含む)が起きているということもできるため複雑なところです。では、
セキュリティ事故による対策も市場に影響を与えるのでしょうか?実は大きな
影響には至っていないととらとらえています。なぜなら、IRなどの情報は企業の
Webサイトに記載されるだけで、企業が認知し対策の役に立てるまでには至りません。
また、セキュリティ事故の原因から考える対策は企業ごとに異なるため、市場へ
の反映がされづらいことがあげられます。しかしニュースやワイドショーなどで
取り上げられる大きな事故では影響を与える場合があります。内部不正により
個人情報が流出した事故では、アクセス権限の管理が注目を集めました。連日の
ニュースでも取り上げられ、多くの方が目にしたことだと思います。この事件が
起きた翌年の調査では『国内アイデンティティ・アクセス管理製品』(当時セグ
メント名)のセグメントが大きな成長を記録しました。市場調査を行なう中で、
改めて世間の注目度の高さを感じた瞬間でした。
○数字の裏を考えるワーキンググループ
市場調査WGは1年を通して調査活動を行い、市場調査レポートを発表しています。
各企業の数値を調べる活動もしていますが、数字の裏には何があるのかを考え、
今後の予想を立てることがワーキンググループの醍醐味です。市場調査レポート
を読む機会がありましたら、その数字の裏にあるストーリーを思い描いてみて
ください。
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
関係するものではありません。
<ワンクリックアンケートお願い>
今回のメールマガジンの感想をお寄せください。
https://tinyurl.com/5axvst5u
※googleアンケートフォームを利用しています。
【イベントのお知らせ】
★いよいよ来週開催!参加受付まだ間にあいます!!
「2nd AJCCA Conference 2025 in Tokyo」
2025年10月10日(金)東京大学弥生講堂一条ホールにて開催
https://www.jnsa.org/ajcca/
★JNSA標準化部会セミナー「デジタルトラストの最新動向と展望」
2025年10月23日(木)オンライン(Zoomウェビナー)にて開催!!
参加受付開始しました。
https://www.jnsa.org/seminar/std/2025/index.html
【部会・WGからのお知らせ】
★「LT(ライトニングトーク)形式による勉強会」講演資料を公開しました!!
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/20250902/index.html
★JNSA主催セミナー/イベントの動画・講演資料順次公開中!
JNSAホームページをご確認ください
https://www.jnsa.org/
【事務局からのお知らせ】
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に実際に足を運んで御相談下さい!!
★セキュリティにまつわる課題解決を支援!「JNSAソリューションガイド」
JNSAの会員企業が取り扱うネットワークセキュリティに関する製品やサービス、
イベント情報などをご紹介しています。是非お役立てください!
https://sg.jnsa.org/
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
☆メールマガジンの配信停止は以下URLの「解除」よりお手続き下さい。
配信停止連絡 <https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html>
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JNSAメールマガジン 第322号
発信日:2025年10月3日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
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市場は堅調な推移をしています。この数字は主にセキュリティベンダー各社が
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この数値に至ったストーリーを掘り下げていくこともレポートを読み解く醍醐味です。
○トレンドは市場に反映されるのか?
世の中の事情から市場は影響を受け形成されます。セキュリティ市場の場合には
外資企業も多いため、円安の影響を受けるといったこともあります。円安では
外資企業の売上が上がるという影響もあれば、国内企業が海外製品等の導入時に
割高となる可能性という影響もあります。プラス影響なのかマイナス影響なのか
は視点によって変わりますので言及はしませんが、売り上げが伸びている理由に
は為替の影響もゼロではありません。
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サービスに対して『AI』というキーワードが目立ちます。実際、『予想』や
『検知』などさまざまな活用が進んでいます。例えば既にあるツールやサービス
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価値です。付加価値がつくことにより単価向上が期待でき、市場成長すると言う
ストーリーが考えられます。また、AIがセキュリティベンダーで活用されること
で、生産性が向上すると言う可能性も考えられます。マネージドサービスを提供
する会社でAI活用が進み、ログ解析時間が短縮されれば顧客数が増えると言う
ストーリーも考えられます。さらにAIの活用が進むと言うことは、AIに対する
セキュリティ対策が必要です。AIは多くの業界企業で導入が進んでいます。AI
システムの導入に伴うセキュリティリスクの分析やデータ保護など、セキュリ
ティ対策を考える場面が増えると言うことです。このような場合にはコンサル
ティング/診断サービスセグメントが増加するのではないか、といったストー
リーを描くこともできます。『AI』と言うキーワードだけでも、誰が使うのか、
どう使うのかを想像してみてください。登場人物や場面を組み合わせることで、
市場を取り巻くストーリーが想像できるはずです。
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もう一つ欠かせない話題がセキュリティ事故です。事故対応だけでも費用が
かかります。市場調査ではインシデント対応も一つの市場と捉え調査をしています。
インシデント対応のセグメントが大きくなることはそれだけセキュリティ事故
(未遂含む)が起きているということもできるため複雑なところです。では、
セキュリティ事故による対策も市場に影響を与えるのでしょうか?実は大きな
影響には至っていないととらとらえています。なぜなら、IRなどの情報は企業の
Webサイトに記載されるだけで、企業が認知し対策の役に立てるまでには至りません。
また、セキュリティ事故の原因から考える対策は企業ごとに異なるため、市場へ
の反映がされづらいことがあげられます。しかしニュースやワイドショーなどで
取り上げられる大きな事故では影響を与える場合があります。内部不正により
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起きた翌年の調査では『国内アイデンティティ・アクセス管理製品』(当時セグ
メント名)のセグメントが大きな成長を記録しました。市場調査を行なう中で、
改めて世間の注目度の高さを感じた瞬間でした。
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各企業の数値を調べる活動もしていますが、数字の裏には何があるのかを考え、
今後の予想を立てることがワーキンググループの醍醐味です。市場調査レポート
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2025年10月23日(木)オンライン(Zoomウェビナー)にて開催!!
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