★☆★JNSAメールマガジン 第344号 2026.8.7☆★☆
2026/08/07 (Fri) 15:30
★☆★JNSAメールマガジン 第344号 2026.8.7☆★☆
こんにちは
JNSAメールマガジン 第344号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンは
日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ
代表 萩原 健太様にご寄稿いただきました。
【連載リレーコラム】
「国産」って、何ですか?
―誰も定義してこなかったセキュリティ製品の「日本度」―
日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ
代表 萩原 健太
近年、経済安全保障やサプライチェーンリスクへの関心が高まる中で、「国産の
セキュリティ製品を選ぶべきだ」という声を耳にする機会が増えました。しかし、
皆が「国産」と言いながら、「何をもって国産とするのか」という明確に定義を、
これまでは行っていませんでした。
日本企業が販売していれば国産なのか。日本国内に本社や開発拠点があれば国産
なのか。あるいは、製品の一部に海外製のライブラリやクラウド基盤が使われて
いれば、国産とは呼べないのか。現代のソフトウェアやサービスは、OSS、海外
ライブラリ、クラウド、外部API、暗号技術、開発環境など、国境を越えた技術
の組み合わせによって成り立っています。そのため、所在地や資本関係だけで
「国産」を線引きすることは現実的ではありません。
そこで私たちは、「どこで生まれたか」ではなく、「日本で責任を持てるか」
「日本側からガバナンスを利かせられるのか」という点に焦点を当てました。
平時には問題なく利用できていたとしても、重大なインシデントや国際情勢の
変化、海外本社の方針転換が起きたとき、日本側でログを確認できるのか、侵害
の有無を判断できるのか、修正や復旧を決められるのか、顧客に日本語で説明
できるのか。こうした有事の対応力まで含めて考えなければ、日本の顧客を守る
ことはできません。
この考え方を可視化するために、日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ
が作成・公開したものが、セキュリティ製品・サービスの「日本度」スコアです。
日本度は、単に企業の国籍や拠点の所在地を見るものではありません。
①企業の属性・信頼性、②ガバナンスと法的権利、③開発ライフサイクルの
自律性、④インフラ基盤とデータの統制、⑤緊急対応・インシデント管理という
五つのカテゴリを通じて、日本側の意思決定と統制がどこまで機能するかを評価
します。さらに、国内での提供実績や利用の広がりも加点要素として扱います。
評価設計では、所在地よりも実質的な支配権を重視しています。裁判管轄、
セキュリティ、侵害判定など、日本の主権に直結する項目には特に重みを置き、
運用や統制を国内が主導できるかという「実務」と、データやインフラがどこに
あり、誰が最終的に統制・管理できるかという「基盤」を分けて確認します。
地政学リスクだけでなく、国内外の第三者認証も組み合わせ、多層的に信頼性を
確かめる設計です。スコアは本体2,500点と加点80点の最大2,580点で構成されて
います。
重要なのは、このスコアが製品の性能や品質そのものを示すものではないという
ことです。検知性能が高いか、価格が安いか、使いやすいかを評価する制度では
ありません。また、外資系企業を排除し、日本企業だけを優遇するための指標
でもありません。外資系企業であっても、日本法人に十分な権限があり、日本語
で支援し、日本の法制度に対応し、有事に説明責任を果たせるのであれば、
日本度は高くなります。反対に、日本企業であっても、開発、運用、データ、
サポート、意思決定の実態を日本側で統制できなければ、日本度は必ずしも高く
なりません。
では、なぜスコアを公開したのか。目的は、製品を順位付けし、優劣を断定する
ことではありません。第一に、利用者や調達者が、製品の表面的なブランドだけ
では分からない統制構造を知るためです。第二に、提供企業自身が、自社の強み
と改善余地を確認するためです。
そして第三に、「日本で責任を持つとはどういうことか」を、業界、利用者、
行政、研究者が共通の言葉で議論できるようにするためです。
スコアは結論ではなく、対話と改善の入口です。点数を取ること自体が目的に
なれば、制度は形骸化します。私たちが目指しているのは、各社が自らの実態を
見直し、日本の顧客に対するコミットメントとガバナンスを実質的に高めていく
ことです。
「日本度」は、まだ小さな一歩にすぎません。今後は、評価項目をさらに精緻化し、
OEM製品、SOC、人材、教育などにも対象を広げていきます。また、セキュリティ
分野に限らず、国内自律性が問われる他の製品・サービスへの展開も考えています。
現在はセルフアセスメントを基本としていますが、将来的には第三者監査や継続
的な確認を取り入れ、実効性を高める必要があります。海外製品も同じ観点で
評価し、違いや課題を可視化することも重要です。
「日本度」が問うのは、純国産か外資かという単純な二者択一ではありません。
現代の技術が国境を越えて成り立つからこそ、日本で提供する以上、日本の顧客
に対してどこまで責任を持てるのかを問うものです。表面的なスコアで終わらせず、
日本の安全・安心と、セキュリティ産業全体の力を高めるための羅針盤として、
皆さんとともに育てていきたいと考えています。
JNSA加盟企業の皆様も、自社の製品やサービスの「日本度」を確認してみませんか。
日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ
https://www.ncpc-trust.jp/
「日本度」スコア
https://www.ncpc-trust.jp/score
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
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【イベントのお知らせ】
★「JNSA全国サイバーセキュリティセミナー2026」
今年は3都市で対面開催!!(東京のみハイブリッド開催)
大阪・2026年8月28日(金)、福岡・9月4日(金)、東京・9月9日(水)
https://www.jnsa.org/seminar/2026/cross/index.html
★【学生限定】東京開催
教育部会「JNSAセキュリティチャレンジスクール 2026 基礎編」
2026年9月3日(木)加瀬の貸し会議室 虎ノ門ホール(東京都港区)にて開催!!
https://www.jnsa.org/seminar/edu/secuchalle/2026/septokyo/index.html
★日本ISMSユーザグループ「LT(ライトニングトーク)形式による勉強会」
2026年9月15日(火)オンラインにて開催!!
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/20260915/index.html
【部会・WGからのお知らせ】
★組織で働く人間が引き起こす不正・事故対応WGによるインタビュー連載
「日本の人事と内部不正」特別編 第13回
「武蔵野大学における「活きいきと働くための施策」に関するインタビュー」を公開しました。
https://www.jnsa.org/result/soshiki/index.html
★JNSA主催セミナー/イベントの動画・講演資料順次公開中!
JNSAホームページをご確認ください
https://www.jnsa.org/
【事務局からのお知らせ】
★2026年7月22日、23日、24日開催「JNSA 2026年度活動報告会」
講演資料を順次公開しております!
https://www.jnsa.org/seminar/2026/active/index.html
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に実際に足を運んで御相談下さい!!
★セキュリティにまつわる課題解決を支援!「JNSAソリューションガイド」
JNSAの会員企業が取り扱うネットワークセキュリティに関する製品やサービス、
イベント情報などをご紹介しています。是非お役立てください!
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sec@jnsa.org
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JNSAメールマガジン 第344号
発信日:2026年8月7日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
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―誰も定義してこなかったセキュリティ製品の「日本度」―
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代表 萩原 健太
近年、経済安全保障やサプライチェーンリスクへの関心が高まる中で、「国産の
セキュリティ製品を選ぶべきだ」という声を耳にする機会が増えました。しかし、
皆が「国産」と言いながら、「何をもって国産とするのか」という明確に定義を、
これまでは行っていませんでした。
日本企業が販売していれば国産なのか。日本国内に本社や開発拠点があれば国産
なのか。あるいは、製品の一部に海外製のライブラリやクラウド基盤が使われて
いれば、国産とは呼べないのか。現代のソフトウェアやサービスは、OSS、海外
ライブラリ、クラウド、外部API、暗号技術、開発環境など、国境を越えた技術
の組み合わせによって成り立っています。そのため、所在地や資本関係だけで
「国産」を線引きすることは現実的ではありません。
そこで私たちは、「どこで生まれたか」ではなく、「日本で責任を持てるか」
「日本側からガバナンスを利かせられるのか」という点に焦点を当てました。
平時には問題なく利用できていたとしても、重大なインシデントや国際情勢の
変化、海外本社の方針転換が起きたとき、日本側でログを確認できるのか、侵害
の有無を判断できるのか、修正や復旧を決められるのか、顧客に日本語で説明
できるのか。こうした有事の対応力まで含めて考えなければ、日本の顧客を守る
ことはできません。
この考え方を可視化するために、日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ
が作成・公開したものが、セキュリティ製品・サービスの「日本度」スコアです。
日本度は、単に企業の国籍や拠点の所在地を見るものではありません。
①企業の属性・信頼性、②ガバナンスと法的権利、③開発ライフサイクルの
自律性、④インフラ基盤とデータの統制、⑤緊急対応・インシデント管理という
五つのカテゴリを通じて、日本側の意思決定と統制がどこまで機能するかを評価
します。さらに、国内での提供実績や利用の広がりも加点要素として扱います。
評価設計では、所在地よりも実質的な支配権を重視しています。裁判管轄、
セキュリティ、侵害判定など、日本の主権に直結する項目には特に重みを置き、
運用や統制を国内が主導できるかという「実務」と、データやインフラがどこに
あり、誰が最終的に統制・管理できるかという「基盤」を分けて確認します。
地政学リスクだけでなく、国内外の第三者認証も組み合わせ、多層的に信頼性を
確かめる設計です。スコアは本体2,500点と加点80点の最大2,580点で構成されて
います。
重要なのは、このスコアが製品の性能や品質そのものを示すものではないという
ことです。検知性能が高いか、価格が安いか、使いやすいかを評価する制度では
ありません。また、外資系企業を排除し、日本企業だけを優遇するための指標
でもありません。外資系企業であっても、日本法人に十分な権限があり、日本語
で支援し、日本の法制度に対応し、有事に説明責任を果たせるのであれば、
日本度は高くなります。反対に、日本企業であっても、開発、運用、データ、
サポート、意思決定の実態を日本側で統制できなければ、日本度は必ずしも高く
なりません。
では、なぜスコアを公開したのか。目的は、製品を順位付けし、優劣を断定する
ことではありません。第一に、利用者や調達者が、製品の表面的なブランドだけ
では分からない統制構造を知るためです。第二に、提供企業自身が、自社の強み
と改善余地を確認するためです。
そして第三に、「日本で責任を持つとはどういうことか」を、業界、利用者、
行政、研究者が共通の言葉で議論できるようにするためです。
スコアは結論ではなく、対話と改善の入口です。点数を取ること自体が目的に
なれば、制度は形骸化します。私たちが目指しているのは、各社が自らの実態を
見直し、日本の顧客に対するコミットメントとガバナンスを実質的に高めていく
ことです。
「日本度」は、まだ小さな一歩にすぎません。今後は、評価項目をさらに精緻化し、
OEM製品、SOC、人材、教育などにも対象を広げていきます。また、セキュリティ
分野に限らず、国内自律性が問われる他の製品・サービスへの展開も考えています。
現在はセルフアセスメントを基本としていますが、将来的には第三者監査や継続
的な確認を取り入れ、実効性を高める必要があります。海外製品も同じ観点で
評価し、違いや課題を可視化することも重要です。
「日本度」が問うのは、純国産か外資かという単純な二者択一ではありません。
現代の技術が国境を越えて成り立つからこそ、日本で提供する以上、日本の顧客
に対してどこまで責任を持てるのかを問うものです。表面的なスコアで終わらせず、
日本の安全・安心と、セキュリティ産業全体の力を高めるための羅針盤として、
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「日本度」スコア
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【イベントのお知らせ】
★「JNSA全国サイバーセキュリティセミナー2026」
今年は3都市で対面開催!!(東京のみハイブリッド開催)
大阪・2026年8月28日(金)、福岡・9月4日(金)、東京・9月9日(水)
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教育部会「JNSAセキュリティチャレンジスクール 2026 基礎編」
2026年9月3日(木)加瀬の貸し会議室 虎ノ門ホール(東京都港区)にて開催!!
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★日本ISMSユーザグループ「LT(ライトニングトーク)形式による勉強会」
2026年9月15日(火)オンラインにて開催!!
https://www.jnsa.org/seminar/std/isms/20260915/index.html
【部会・WGからのお知らせ】
★組織で働く人間が引き起こす不正・事故対応WGによるインタビュー連載
「日本の人事と内部不正」特別編 第13回
「武蔵野大学における「活きいきと働くための施策」に関するインタビュー」を公開しました。
https://www.jnsa.org/result/soshiki/index.html
★JNSA主催セミナー/イベントの動画・講演資料順次公開中!
JNSAホームページをご確認ください
https://www.jnsa.org/
【事務局からのお知らせ】
★2026年7月22日、23日、24日開催「JNSA 2026年度活動報告会」
講演資料を順次公開しております!
https://www.jnsa.org/seminar/2026/active/index.html
★JNSA事務局を騙った詐欺事件が発生しています。
当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に実際に足を運んで御相談下さい!!
★セキュリティにまつわる課題解決を支援!「JNSAソリューションガイド」
JNSAの会員企業が取り扱うネットワークセキュリティに関する製品やサービス、
イベント情報などをご紹介しています。是非お役立てください!
https://sg.jnsa.org/
☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
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発信日:2026年8月7日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
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