★☆★JNSAメールマガジン 第329号 2026.1.9☆★☆
2026/01/09 (Fri) 15:30
★☆★JNSAメールマガジン 第329号 2026.1.9☆★☆
こんにちは
JNSAメールマガジン 第329号 をお届けします。
メールマガジンはJNSAのホームページでもご覧いただけます。
JNSAメールマガジン https://www.jnsa.org/aboutus/ml.html#passed
コラム最後にワンクリックアンケートがあります。
ぜひこのコラムの感想をお寄せください。
今回のメールマガジンはセコム株式会社IS研究所 主幹研究員 佐藤雅史 様に
ご寄稿いただきました。
【連載リレーコラム】
標準化が支えるデジタル署名の長期有効性と相互運用性
JNSA電子署名WG 標準原案作成タスクフォースリーダー
セコム株式会社 IS研究所 主幹研究員 佐藤雅史
近年、量子コンピューターの進化が情報セキュリティに大きな影響を与えると
注目されています。特に、RSA暗号や楕円曲線暗号といった現在主流の暗号技術
は、将来の量子コンピューターによって破られる可能性が指摘されており、
その対策として耐量子計算機暗号(PQC: Post-Quantum Cryptography)の開発が
世界的に進められています。PQCへの移行計画に関心を持つ方も多いでしょう。
しかし、暗号技術の移行はPQCに限った話ではありません。過去にもアルゴリズム
や鍵長の脆弱化により、暗号の更新や移行が繰り返されてきました。
暗号技術の脆弱化は、デジタル署名にも深刻な影響を与えます。過去に作成・
保存されたデジタル署名が無効化されると、企業や行政機関、医療機関などが
管理する重要なデジタルデータの真正性が失われる恐れがあります。この課題を
解決するため、JNSA電子署名WGでは以前より長期署名プロファイルの規格策定
(ISO化)を進めてきました。長期署名プロファイルとは、署名アルゴリズム等
の強化を可能にし、長期的な有効性と相互運用性を確保するためにデジタル署名
のデータ項目の要求事項を定めたものです。
2025年9月、長期署名プロファイルのJIS規格が発行されました。データ形式に
応じて、CAdES(CMS形式)、XAdES(XML形式)、PAdES(PDF形式)の3部構成と
なっています。
・JIS X 14533-1:2025 長期署名プロファイル-第1部:CAdESデジタル署名
CMS (Cryptographic Message Syntax)形式の長期署名
・JIS X 14533-2:2025 長期署名プロファイル-第2部:XAdESデジタル署名
XML形式の長期署名
・JIS X 14533-3:2025 長期署名プロファイル-第3部:PAdESデジタル署名
PDF形式の長期署名
これらはISO 14533シリーズと同等の内容で、国際的な相互運用性を確保して
います。なお、JIS規格の長期署名プロファイルとしては2008年にJIS X 5092:
2008 (CAdES)及びJIS X 5093:2008 (XAdES)が既に発行されていましたが、
これらは今回廃止されました。JIS X 14533シリーズは過去のJIS X 5092/5093
との互換性も考慮し、ISOベースの要件に従う場合に注意すべき事項については、
注釈を加えています。
今回のJIS規格策定は、原案作成委員会の運営、規格原案の編集や取りまとめ
など、JNSA電子署名WG標準原案作成タスクフォースが主導しました。
ISO 14533シリーズ自体も、日本のJIS規格を原案として国際標準化された経緯が
あります。今回の改訂では、ISO規格に対する改善点も多く見出され、今後ISO
への修正提案を行う予定です。さらに、医療情報に対する電子署名規格
(ISO 17090-4: Health informatics-Public key infrastructure Part 4:
Digital signatures for healthcare documents)等への反映のほか、JSON対応
の新形式やPQC対応の検討など、次世代の課題にも取り組んでいきます。
デジタルデータの流通や連携が加速する中、真正性の担保と相互運用性の確保は
ますます重要です。その鍵となるのが標準化です。
これら標準化を理解することは、IT技術やDXの本質をより深く捉えることができ、
ひいてはシステムの使いやすさや信頼性を高めることにも繋がります。
標準化には技術知識だけでなく、国際動向や利害関係者への理解も求められます。
大変そうに思えるかもしれませんが、標準化の世界は非常に刺激的で、社会の
変化を肌で感じられる場でもあります。興味を持った方は、ぜひ標準化の扉を
開き、新たな世界に一歩踏み出してみてください。
#連載リレーコラム、ここまで
<お断り>本稿の内容は著者の個人的見解であり、所属団体及びその業務と
関係するものではありません。
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今回のメールマガジンの感想をお寄せください。
https://tinyurl.com/yyaxpkf3
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【イベントのお知らせ】
★JNSA設立25周年記念イベント講演会>>
2026年2月5日(木)第一ホテル東京にて開催!!参加受付中です。
https://www.jnsa.org/seminar/2025/25th/index.html
★JNSA-IAC3 第2回サイバーセキュリティセミナー>>
2026年2月12日(木)ハイブリッド(情報セキュリティ大学院大学)にて開催!!
参加受付中です。
https://www.jnsa.org/seminar/iac3/20260212/
【部会・WGからのお知らせ】
★JNSAYouTubeチャンネルにて以下のイベントの動画を公開しました!
日本ISMSユーザグループ 情報セキュリティマネジメント・セミナー2025
https://www.youtube.com/@JNSAseminar
★JNSA主催セミナー/イベントの動画・講演資料順次公開中!
JNSAホームページをご確認ください
https://www.jnsa.org/
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当協会から個人の方へ金銭のご請求を行うことはございません。
お心当たりのある方は最寄りの警察署に実際に足を運んで御相談下さい!!
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JNSAの会員企業が取り扱うネットワークセキュリティに関する製品やサービス、
イベント情報などをご紹介しています。是非お役立てください!
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☆コラムに関するご意見、お問い合わせ等はJNSA事務局までお願いします。
sec@jnsa.org
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JNSAメールマガジン 第329号
発信日:2026年1月9日
発 行:JNSA事務局 sec@jnsa.org
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の強化を可能にし、長期的な有効性と相互運用性を確保するためにデジタル署名
のデータ項目の要求事項を定めたものです。
2025年9月、長期署名プロファイルのJIS規格が発行されました。データ形式に
応じて、CAdES(CMS形式)、XAdES(XML形式)、PAdES(PDF形式)の3部構成と
なっています。
・JIS X 14533-1:2025 長期署名プロファイル-第1部:CAdESデジタル署名
CMS (Cryptographic Message Syntax)形式の長期署名
・JIS X 14533-2:2025 長期署名プロファイル-第2部:XAdESデジタル署名
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これらはISO 14533シリーズと同等の内容で、国際的な相互運用性を確保して
います。なお、JIS規格の長期署名プロファイルとしては2008年にJIS X 5092:
2008 (CAdES)及びJIS X 5093:2008 (XAdES)が既に発行されていましたが、
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との互換性も考慮し、ISOベースの要件に従う場合に注意すべき事項については、
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など、JNSA電子署名WG標準原案作成タスクフォースが主導しました。
ISO 14533シリーズ自体も、日本のJIS規格を原案として国際標準化された経緯が
あります。今回の改訂では、ISO規格に対する改善点も多く見出され、今後ISO
への修正提案を行う予定です。さらに、医療情報に対する電子署名規格
(ISO 17090-4: Health informatics-Public key infrastructure Part 4:
Digital signatures for healthcare documents)等への反映のほか、JSON対応
の新形式やPQC対応の検討など、次世代の課題にも取り組んでいきます。
デジタルデータの流通や連携が加速する中、真正性の担保と相互運用性の確保は
ますます重要です。その鍵となるのが標準化です。
これら標準化を理解することは、IT技術やDXの本質をより深く捉えることができ、
ひいてはシステムの使いやすさや信頼性を高めることにも繋がります。
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