アンパンマンに学ぶ、マーケティングの本質
2025/06/03 (Tue) 08:09
こんにちは。
オフィスat 女性視点マーケターの寺島みちこです。
週末、アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんの
初の大規模巡回展「やなせたかし展」に行ってきました。
漫画家、詩人、絵本作家、
イラストレーター、デザイナー、編集者など
多彩な活動を繰り広げた
やなせさんの人生。
原画 約200点の展示から
そのモノづくりの根幹にあるもの
生み出される過程を垣間見ることができて、とてもよかったです。
朝ドラだと、今、ここらあたりね、と照らし合わてみたり。
心揺さぶられながら、相変わらずマーケター視点がぐるぐる(笑)
国⺠的⼈気作品を生み出した過程には、マーケティングヒントがたくさんありましたね。
◎「誰かに深く届ける」--アンパンマンは最初、ウケなかった
アンパンマンの原点は、1973年に月刊絵本『キンダーおはなしえほん』に掲載された「あんぱんまん」。
当初のビジュアルは、今とまったく違っていて
ボロボロのマントに指が5本、顔がすべて食べられて飛ぶシーンも。
大人の目から見ると“シュールすぎる”設定だったのかもしれません。
案の定、出版社や絵本評論家、そして幼稚園の先生からも
「顔を食べさせるなんて残酷すぎる」と大ブーイング!
やなせさん自身も「大悪評だった」と振り返っています。
そんな中、光をくれたのが子どもたちの声。
「子どもがこの本を何度も読んでって言ってくるんです」
「アンパンマンが大好きみたいで…」
現場からの反応が、少しずつやなせさんの耳に届き始めたそうです。
「大人からはあまり評判がよくなかったけど、子どもたちはアンパンマンを好きでいてくれた」
その声に背中を押されるようにして、次々とアンパンマンの絵本が刊行されていきました。
万人にウケなくていい。
大切なのは「誰に何を届けたいのか」ということ。
ニッチでも“深く刺さる共感”は、やがてマスへと広がっていく。
アンパンマンのエピソードは、まさにその象徴ですね。
【マーケティングポイント】
・ニッチへの深い共感が、長期的なファン化につながる
・マジョリティを狙わず、“本当に届けたい人”を見極める
◎「本質をシンプルに伝える」--商業デザインの経験が生きている
アンパンマンには「正義とは?」「生きるとは?」という深いテーマが流れています。
この背景には、やなせたかしさん自身の人生が色濃くあります。
苛酷な戦争体験や、愛する家族との別れなどから
「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」
問い続け、その先にたどり着いたのが--
かっこよくなくてもいい。
本当に困っている人に、自分の顔のあんぱんを差し出せるようなヒーロー像だったのです。
その想いを、誰にでも伝わる形となったのは、
本質をシンプルに伝える引き算の表現によるもの。
ストーリーはもちろん、キャラクターのデザインにもシンプルさが貫かれています。
丸顔に赤いほっぺ、マントとブーツ。
子どもが見た瞬間に「アンパンマン」とわかるそのシンプルで記号的な造形は、まさに「伝えるための設計」です。
これは、やなせさんの画風でもありますが、
商業デザインの経験によるものもあるのではと感じます。
たとえば、三越の包装紙に使われている「Mitsukoshi」の筆記体ロゴ。
実はあれも、やなせさんが三越宣伝部時代に手がけたものなんです。
商品やブランドの本質を、一目・一言で届ける。
その力は絵本の世界でもしっかり生きているのです。
【マーケティングポイント】
・本質を言語化・視覚化するには、引き算の発想が有効
・一目・一言で伝わる設計がブランド強化につながる
◎老若男女に届く理由は、「やさしさの設計」
会場では子どもから年配の方まで、幅広い世代が展示を楽しんでいました。
その光景はまさにアンパンマンが世代を超えて愛され続けている証でした。
その理由のひとつが、「やさしさの設計」です。
誰かを想う気持ち、困っている人に手を差し伸べる姿、仲間を信じる関係性。
アンパンマンの世界観には、言葉にせずとも伝わってくる
「やさしさ」があちこちにちりばめられています。
こうした「やさしさ」や「気遣い」は
実はマーケティングにおいてもとても大事です。
スペックやサービス内容以上に、人の心を動かすのは「感情への共感」。
「自分のことをわかってくれている」「寄り添ってくれている」
と感じられる体験は、価格以上の価値を生み出し、選ばれる理由になります。
そしてその共感は、いったん生まれると「離れない理由」にもなります。
アンパンマンがずっと愛されているように
感情に根ざしたブランドは、ファンの心の中に深く居場所をつくるのです。
【マーケティングポイント】
・「やさしさ」「気遣い」は、ブランドの信頼を築く要素
・情緒的共感は、機能以上の価値を生む
・感情起点の体験設計が、長期的なファン化につながる
ところで、アンパンマンが世に出たのは、やなせたかしさんが60歳手前の頃。
「人生、何が起こるかわからない」というご本人の言葉が胸に刺さります。
いや~、人生、まだまだこれからですね。
アンパンマンの世界には、本質を見つめ、シンプルに、やさしく届ける
そんなマーケティングのヒントがたくさん詰まっています。
“共感設計”こそが、長く愛されるブランドづくりの土台になるのかもしれませんね。
オフィスatでは、感情や共感を起点にした、ファンに愛されるブランド設計をサポートしています。
「うちの強みってなんだろう?」「どうやって届けたら伝わる?」
そんなご相談も、お気軽にお声がけください。
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漫画家、詩人、絵本作家、
イラストレーター、デザイナー、編集者など
多彩な活動を繰り広げた
やなせさんの人生。
原画 約200点の展示から
そのモノづくりの根幹にあるもの
生み出される過程を垣間見ることができて、とてもよかったです。
朝ドラだと、今、ここらあたりね、と照らし合わてみたり。
心揺さぶられながら、相変わらずマーケター視点がぐるぐる(笑)
国⺠的⼈気作品を生み出した過程には、マーケティングヒントがたくさんありましたね。
◎「誰かに深く届ける」--アンパンマンは最初、ウケなかった
アンパンマンの原点は、1973年に月刊絵本『キンダーおはなしえほん』に掲載された「あんぱんまん」。
当初のビジュアルは、今とまったく違っていて
ボロボロのマントに指が5本、顔がすべて食べられて飛ぶシーンも。
大人の目から見ると“シュールすぎる”設定だったのかもしれません。
案の定、出版社や絵本評論家、そして幼稚園の先生からも
「顔を食べさせるなんて残酷すぎる」と大ブーイング!
やなせさん自身も「大悪評だった」と振り返っています。
そんな中、光をくれたのが子どもたちの声。
「子どもがこの本を何度も読んでって言ってくるんです」
「アンパンマンが大好きみたいで…」
現場からの反応が、少しずつやなせさんの耳に届き始めたそうです。
「大人からはあまり評判がよくなかったけど、子どもたちはアンパンマンを好きでいてくれた」
その声に背中を押されるようにして、次々とアンパンマンの絵本が刊行されていきました。
万人にウケなくていい。
大切なのは「誰に何を届けたいのか」ということ。
ニッチでも“深く刺さる共感”は、やがてマスへと広がっていく。
アンパンマンのエピソードは、まさにその象徴ですね。
【マーケティングポイント】
・ニッチへの深い共感が、長期的なファン化につながる
・マジョリティを狙わず、“本当に届けたい人”を見極める
◎「本質をシンプルに伝える」--商業デザインの経験が生きている
アンパンマンには「正義とは?」「生きるとは?」という深いテーマが流れています。
この背景には、やなせたかしさん自身の人生が色濃くあります。
苛酷な戦争体験や、愛する家族との別れなどから
「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」
問い続け、その先にたどり着いたのが--
かっこよくなくてもいい。
本当に困っている人に、自分の顔のあんぱんを差し出せるようなヒーロー像だったのです。
その想いを、誰にでも伝わる形となったのは、
本質をシンプルに伝える引き算の表現によるもの。
ストーリーはもちろん、キャラクターのデザインにもシンプルさが貫かれています。
丸顔に赤いほっぺ、マントとブーツ。
子どもが見た瞬間に「アンパンマン」とわかるそのシンプルで記号的な造形は、まさに「伝えるための設計」です。
これは、やなせさんの画風でもありますが、
商業デザインの経験によるものもあるのではと感じます。
たとえば、三越の包装紙に使われている「Mitsukoshi」の筆記体ロゴ。
実はあれも、やなせさんが三越宣伝部時代に手がけたものなんです。
商品やブランドの本質を、一目・一言で届ける。
その力は絵本の世界でもしっかり生きているのです。
【マーケティングポイント】
・本質を言語化・視覚化するには、引き算の発想が有効
・一目・一言で伝わる設計がブランド強化につながる
◎老若男女に届く理由は、「やさしさの設計」
会場では子どもから年配の方まで、幅広い世代が展示を楽しんでいました。
その光景はまさにアンパンマンが世代を超えて愛され続けている証でした。
その理由のひとつが、「やさしさの設計」です。
誰かを想う気持ち、困っている人に手を差し伸べる姿、仲間を信じる関係性。
アンパンマンの世界観には、言葉にせずとも伝わってくる
「やさしさ」があちこちにちりばめられています。
こうした「やさしさ」や「気遣い」は
実はマーケティングにおいてもとても大事です。
スペックやサービス内容以上に、人の心を動かすのは「感情への共感」。
「自分のことをわかってくれている」「寄り添ってくれている」
と感じられる体験は、価格以上の価値を生み出し、選ばれる理由になります。
そしてその共感は、いったん生まれると「離れない理由」にもなります。
アンパンマンがずっと愛されているように
感情に根ざしたブランドは、ファンの心の中に深く居場所をつくるのです。
【マーケティングポイント】
・「やさしさ」「気遣い」は、ブランドの信頼を築く要素
・情緒的共感は、機能以上の価値を生む
・感情起点の体験設計が、長期的なファン化につながる
ところで、アンパンマンが世に出たのは、やなせたかしさんが60歳手前の頃。
「人生、何が起こるかわからない」というご本人の言葉が胸に刺さります。
いや~、人生、まだまだこれからですね。
アンパンマンの世界には、本質を見つめ、シンプルに、やさしく届ける
そんなマーケティングのヒントがたくさん詰まっています。
“共感設計”こそが、長く愛されるブランドづくりの土台になるのかもしれませんね。
オフィスatでは、感情や共感を起点にした、ファンに愛されるブランド設計をサポートしています。
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公開しました! 【ハピレボ 事例トークイベントvol.3】
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それではまた。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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